一言で表現するならば、裁判所が本人を「支払不能」と認めた場合に、借金をゼロにしてもらえる制度です。
裁判所が本人を支払不能と認め、また借入理由にギャンブルや浪費などの免責不許可事由がなければ、借金の支払義務がなくなります。
必要最低限の財産以外は全て処分しお金に変え、
各債権者にその債権額に応じて、借金を返済するという裁判上の手続です。
自己破産をすると、最低限の財産以外は全て処分されてしまいますが、借金も全てなくなります。
債務整理の最後の手段とも言えます。
「支払不能」の状態とは、全部の借金をどうやっても返しきれない状態であると裁判所が判断した場合です。明確な基準はありません。
【適用の目安】
■現状の借金総額を、3~4年で返済できない。
■借金総額が月収の20倍以上になっている。
■すでに経済的に破綻していて、借金を返済するために、また借金をしなければならない。
あくまでも目安であり、自己破産が適切な手段かどうかは、一人一人の事情や家族の協力等の事情によって違います。
普通に働いている(働ける)状態で、なおかつ特別な事情がないケースで自己破産を申し立てた場合、債務の総額が200万円に満たないと申立人が支払い不能の状態にない(まだ支払い能力がある)と判断されて自己破産の申し立ては受理されない可能性があります。
自己破産手続をしても、裁判所から家族に連絡を行うことはありません。
しかし、破産を申し立てる時には、同居している家族の収入を証明する資料(給与明細等)を裁判所に提出しなくてはなりません。
また、破産をすれば7年ほど新たな借金やローンを組めなくなりますから、家族から理由を聞かれる場合もあるでしょう。
【実行までにかかる期間】
申立をしてから免責決定まではだいたい半年程度です
【免責不許可事由(自己破産が認められない場合)】
・財産を隠したり、わざと壊したりした。
・浪費やギャンブルのために借金をした。
・株や先物投資のために借金した。
・返すことができない事を隠して借金した。
・借金の額などについて嘘を書いた。
・裁判官との面接で嘘をついた。
・過去7年間に破産を申立ていて、免責を受けていた
【自己破産にかかる費用】
■自己破産の申立てを自分でする場合(破産管財人の選任がない場合)
約2~3万円の実費
(内訳:予納金約2万円、収入印紙1500円、郵便切手約5000円)
*費用は裁判所によって異なります。度裁判所に確認して下さい。
■自己破産の申立てを専門家(弁護士・司法書士)に依頼する場合
弁護士 → 実費+着手金20~50万円(+報酬額20~50万円
*着手金・報酬額は各事務所によって違います。
司法書士 → 実費+報酬額15万円~30万円
*着手金・報酬額は各事務所によって違います。
【その他】
■資格制限などはありますが、基本的に失う権利はありません。
選挙権などを失うこともありません。
戸籍や住民票に記載されることはありません。
記載されるのは「官報」と本籍地の「破産者名簿」です。
しかし官報を読んでいる人はほとんどいません。
破産者名簿を一般の人が勝手に見ることはできません。
したがって自己破産したことを他人に知られることは、殆どないでしょう。
■給料の差押えを受ける場合はありますが、手取り金額の4分の1までしか差押えはきません。
給料の手取り額が28万円より少ない場合は手取り額の4分の3が、手取り額が28万円より多い場合は、21万円が差押え禁止になっています。
例えば、手取り額が20万円の場合、差押えができるのは、4分の1の5万円だけです。手取り額が40万円の場合、差押え禁止額が21万円ですので、残りの19万円を差押さえられることになります。
なお、<生活保護や年金、失業保険などは差押さえが禁止されています。
■管財事件(高価な財産がある場合の破産手続)の場合には、免責決定がおりるまで、海外に出かけるためには裁判所の許可が必要です。
■銀行に口座を開設することや公共料金の引落等は利用できます。
ただし、5~7年間は銀行から新たにお金を借りる事はできません。
■自己破産手続をして、借金をした本人が免責されても、連帯保証人には関係がなく、保証人の債務は全額残ってしまいます。場合によっては、保証人も自己破産や任意整理といった手続をする必要があるかもしれません。
【メリット】
・借金返済の免除。
・他の債務整理方法と比べ、解決までの期間が短い。
【デメリット】
・自己破産手続き期間中(免責までの期間約3~6ヶ月)は、一定の職業に就けなくなります。
【資格制限される職業】保険募集人、旅行業務取扱管理者等、弁護士、司法書士、税理士の士業、生命保険募集人、警備員
※会社役員、公務員、教員、医師、看護師などは制限されません。
・信用情報機関に自己破産事実か登録されます。
※住民票、戸籍には記載されません。
関連する投稿
※お問い合わせには、電話かメールにて対応させていただきます。